「2013年1月」の記事一覧

雪晒しの和紙の里

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皆の衆、今朝は冷えたのう。
積み上げた雪もガチガチに凍って、崩すのも一苦労。
でも来週は、そう寒くはなさそう。
雪も溶けていくことだろう。

しかし、この寒さは、景色を美しく変える。
今朝も、周囲の山々にもやがかかり、思わず見とれる。

kaji_1.jpg ←水墨画のよう|うっすら青空も

そして和紙の里通りを歩いていると・・・ん?
見慣れない光景が・・・。

kaji_2.jpg ←何やら雪の上に並べている

卯立の工芸館横の広場には、積もった雪がそのまま残っている。
今日は凍って、雪の上も歩いても大丈夫。
その上で、作業をしている3人。

kaji_3.jpg ←寒そう・・・

紙の原料となるカジの皮を、雪に晒している!
今朝は冷えた分、すっきり晴れて、日光もガンガン照射。
つまり、紫外線もガンガン照射。
雪ざらし日和と言ってもいいだろう。
これで、薬品を使わずに繊維を傷めることなく、白い紙を作ることができる。

実は先日から、カジの紙づくりにトライしているんじゃ。
カジは、楮によく似た原料。
昔は混同されていたらしいが、今ではほとんど使われることはない。

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↑ カジの原木|それをお釜で蒸す!

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↑ 黙々と皮を剥ぎ・・・|甘皮を残して、黒皮や芽の跡を削り取る

晒した皮が紙になるのは、まだまだ先。
楮とどこが異なってくるのか、いまから楽しみじゃ。

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↑ 雪が日光を反射して、晒し効果も倍増!!

皆も、白く美しい紙ができるよう祈っていておくれ。
できた紙は、またこのブログで紹介することにしよう。

赤い手と白い和紙

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皆の衆、調子はどうじゃ?
インフルエンザが流行の兆しをみせているようじゃ。
うがいと手洗いを忘れずにな。

今日は、紙博で開催中のテーマ展を紹介しよう。
今年度最後のテーマ展は、「ネリのはたらき」。
この寒い季節に最も効果を発揮する「ネリ」がテーマじゃ。

 ←いつも通り、展示収蔵庫入って左

すでに知っている者も多いと思うが、
「ネリ」とは、紙漉き(流し漉き)には欠くことのできないもの。
主に植物から取り出される粘液で、
この粘りが、紙を漉いている間、水が簀からすぐに抜けてしまうのを防いでくれる。
原料となる繊維を、よく絡ませ合わすことができるんじゃ。
厚さを均一にすることができるのも、ネリのおかげじゃな。

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↑ ネリの原料の代表「トロロアオイ」(左・根)とノリウツギ(右・樹皮)

ネリは、実は暑さに弱い。
粘性がすぐに失われてしまうからじゃ。
だから、寒い時期に漉いた紙の方が品質は良いと言われる。
いわゆる「寒漉きの紙」じゃ。
まぁ、職人は暑くても良い紙をつくるがの。

しかし!
寒い時期は、紙を漉くのがつらそうじゃ。
冷たい水を使うからのう。
だからといって、お湯にしたら、ネリの効果は無くなるしのう。
わしには耐えられないジレンマじゃな(笑)。
職人さんには本当に頭が下がる。

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↑手が真っ赤!(1/5の漉き初め式にて岩野市兵衛殿)

手を真っ赤にして漉いた紙は、
雪のように真っ白で美しい紙になる。
寒い時期、ネリのはたらきにも注目じゃが、
職人のはたらきにも注目してほしい。
真っ赤な手と、真っ白な紙。
寒く冷たい紙漉きの場で、心がジンと熱くなる。

出身は和紙の里②

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皆の衆、相変わらず寒いのう。
今朝は冷えたが、雪はそう降らなかったようじゃ。
雪かきも楽勝じゃった。
まぁ、雪かきは、冬場の運動不足解消に最適なんじゃが(笑)。

さて、今回はお待ちかね、卯立の工芸館で開催中の展覧会
「絵草紙屋 辻文」 のご紹介じゃ。

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↑ 「辻文」ポスター|工芸館玄関先には、辻文看板

今回の展覧会では、以前にも伝えた通り、
和紙の里出身の版元、辻岡屋文助を取り上げる。
地元でも、このような人物がいたことを知らない者も少なくない。
木版画の魅力や、奉書の素晴らしきを広く伝えるのはもちろん、
地元の者に、文助を通して、和紙の里への誇りを再認識してもらいたい。
今回の展覧会は、そんな狙いもある。

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↑ 文助の紹介|辻文版の作品が並ぶ

辻文版の作品は10点ほど。
美しい錦絵(多色刷りの浮世絵)の他、庶民の読み物、黄草紙も並ぶ。

tsujibun_8.jpg  tsujibun_7.jpg
↑ しっかりと「辻文」の文字|読み込まれたページの端の傷みもまたgood

展示作品のなかには、今回の展覧会の趣旨に賛同していただき、
所蔵者から寄贈を受けたものが複数ある。
ありがたいことじゃ。
彼らも、少しでも多くの方に文助の存在を知ってもらいたいという
熱い想いをお持ちなんじゃ。

さらに!
木版画の道具や、越前奉書なども展示している。
奉書は、錦絵を摺るのに最適なんじゃ。
しかも、当時、越前産がトップクラスの品質を誇っていたと文献にある。
もちろん、今だってトップクラスじゃが!

tsujibun_6.jpg  tsujibun_5.jpg
↑ 木版画制作の道具たち|越前奉書に摺られているのは・・・写楽!!!!

展覧会は、ひなまつりの3月3日まで。
ただし、途中で展示替えがあるので気を付けておくれ。

tsujibun_4.jpg 
↑ 摺り立て順序の展示は立春2月4日まで
 2月6日からは、版木の展示が始まる

盛りだくさんの展示。
多くのことを感じ取っていってほしいと思う。
しばらくは、雪はおとなしいようじゃ。
皆が来るのを待っておるぞ。

 

巳年に和紙を想う

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皆の衆、新しい年が明けたのう。
遅ればせながら、おめでとうございます。
昨年は、年末の挨拶もせず申し訳ない。
今年も和紙の里の様子をどんどん伝えていくので、よろしく頼む。

では早速、漉き初め式の話題じゃ。
毎年1月5日に行われる漉き初めの儀式が、昨日、
卯立の工芸館で開催された。

sukizome_1.jpg ←まずは神事から

sukizome_2.jpg ←御神水を漉き舟に注ぎ入れる

何度観ても、身が引き締まる思いがする。
伝統の長さや深さが、ぐっと胸に迫ってくるんじゃ。

sukizome_3.jpg  sukizome_4.jpg
↑ 囲炉裏で護摩焚き|湯立ても

神事が終わると、これも例年どおり、工芸士による技の披露。
チリよりから紙出し、叩解、紙漉きまで、一連の作業を、
紙漉き唄をBGMに楽しむことができた。

sukizome_5.jpg  sukizome_6.jpg 
↑ おそろいの作務衣で|今年は岩野市兵衛殿が登場

そして次は、若手職人の紙漉きの披露。
諸先輩方の後だからか、その先輩方の視線が気になるのか、
ちょっと緊張気味?

sukizome_7.jpg ←いつもは大紙を漉いています

sukizome_8.jpg ←後ろの厳しい視線に注目!

それでも漉き上げていく彼らは頼もしい!
越前和紙の未来を担う若手職人!!
期待しておりますぞ!

この日は、福井県和紙工業協同組合の創立80周年記念式典も行われていた。
越前和紙の歴史が長ければ、組合の歴史も長い。
これからは100年のステージへと、そのあゆみを進める。
今年の干支・巳のように、長く続いていってほしい。
巳年のはじめ、そんなことを思った。

次回は、卯立の工芸館での展覧会のお知らせじゃ!
待っていておくれ!

管理人:わしだるま
和紙の里の自然や人々が
大好きな越前和紙の精。
和紙の里に生息し、
いろんな所に出没中。

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