「2013年2月」の記事一覧

わしはどう描かれる?

| トラックバック(0)

皆の衆、まだまだ雪じゃのう。
雨水を過ぎても、雪は雪のままじゃ。
でも2月もあと一週間。
春は近い。

今日は、またまた「絵草紙屋 辻文」についてじゃ。
先日、福井県立美術館からチラシが送られてきての。
そのおもて面に、見覚えのある作品が載っていたんじゃ。
その作品は、写楽の「松本米三郎のしのぶ」。
福井、三重、奈良の三県立美術館コレクションを紹介する展覧会「版画の競演」の
出品作品のひとつ(奈良県美)なのじゃが・・・、
実は、「絵草紙屋 辻文」でも展示しておる!!

tsujibun3_1.jpg ←最左の作品

しかし・・・よく見ると・・・、
美術館から送られてきたチラシに掲載されている作品とは色が異なる。
奈良県美の作品は、着物の色がオレンジ色。
だが、上の写真は桃色系。
なぜ?

答えは、版元が売れ行きをみて色を変えるから。
先日の講演会で、講師の山田殿がおっしゃっていた。
オレンジと桃色。どっちが売れたのかのう(笑)?

そういえば、山田殿の説明でも、例に出されていたのは写楽じゃった。
人気だったのか、はたまた版元(蔦重)が頑張って売らねばならない状態だったのか・・・。
「絵草紙屋 辻文」では、写楽作品を〈奉書が支える美男美女〉としているが、
実は、写楽はありのままを描きすぎて、
役者(描かれる方)からは不評をかっていたとか。

tsujibun3_2.jpg ←実際はどんな顔?似てる?

写楽より時代がくだるが、
フランスにも同じようにありのままを描く画家がいた。
ご存じかのう?
ロートレックじゃ。
彼の作品はポスターに採用され、大きな評判を呼んだが、
描かれた踊り子や歌い手たちからは、苦情がきたりも。
木版と石版の違いはあるももの、版画という同じジャンル。
さしずめ、ロートレックはフランスの写楽といったところじゃな。
そう思うと、紙は何を使っていたのかも気になってくる(笑)。

「絵草紙屋 辻文」は、来月3日まで。
福井県立美術館での「版画の競演」は来月1日から。
両者を見くらべてみるのも面白いはず。
そのためには、まずは辻文へ。
閉幕が近い。
待っておるぞ。


和紙は木版画の夢をみる

| トラックバック(0)

皆の衆、雪じゃのう。
予報が的中して、ここ数日は雪の毎日じゃ。
と言っても、あまり積もってはいない。
安心して眺めていられる雪じゃ。
それでも交通には気を付けての。

今日は、昨日開講された「ロマン講座」についてじゃ。
越前和紙への造詣を深めることを目的に、
「越前和紙を愛する会」が不定期に開講している。
今回は、現在、卯立の工芸館で開催中の展覧会「絵草紙屋 辻文」にあわせて、
「木版画の魅力」をテーマに開講された。

roman.jpg ←和紙の里HPでも紹介していた

講師は、京都にある美術出版社「芸艸堂(うんそうどう)」の
代表取締役社長 山田博隆殿じゃ。
現代の版元とも言える山田殿。
版元のルーツから解説してくださった。

roman_1.jpg ←たくさんの聴講者

roman_2.jpg  roman_3.jpg
↑木版画の資料もズラリ(奥はゲストの岩野市兵衛殿)|資料を手に説明

版元、つまり出版のルーツは寺にあるのだそう。
京都に出版社が多いのは、その名残だという。
納得。
京都や大阪で開業して、江戸に支店を出すというのが当時のスタイル。
芸艸堂さんも東京に支店をお持ちだ。

そして木版の魅力について!
入手が難しい版木を上手に使うことがポイントなのだと感じた。
版木が多くなる=色の数が多いということ。
つまり、色の数が少なければ、版木も少ない。
同じ色でも、ぼかしを入れてみたり、あるいは色なしの「からずり」をしてみたり。
色数を多くみせる工夫なんじゃな。
木版は、基本的には大衆のもの。
版木の数を抑えてコストも抑える。
またまた納得。
そして工夫は魅力になる。

roman_4.jpg
↑左の蘭の木版画(木版画?!信じられん・・・)は100回くらい摺る!!

そしてもちろん、紙の話も。
木版に使うのは、やっぱり和紙!
何回もの摺りに耐えなければならないとなると、
和紙じゃないとダメなんだそうじゃ。
そして、絵によって、薄い和紙にしたり厚い和紙にしたり。
きっと、この紙の選択が、辻文は上手かったのだろうな・・・。
現在、岩野市兵衛殿が漉かれる生漉奉書のほとんどは、木版画に使われるとのこと。
摺り易く、色が入り易く。
和紙は木版画を夢みてつくられている。

質疑応答では、活発に意見が交わされた。
充実していた証拠じゃな。
山田殿!ありがとうございました!

展覧会「絵草紙屋 辻文」は、来月3日まで続く。
芸艸堂さんからお借りした道具類も展示しているぞ。
まだの者は急げ!!
待っておるぞ。

出身は和紙の里③

| トラックバック(0)

皆の衆、体調はいかがかのう?
立春は過ぎたものの、また雪との予報。
インフルエンザも流行しておるようじゃし、気を付けておくれ。

今日は、またまた和紙の里出身、辻文についてじゃ。
会期の約半分が終了した今日から、後期の展示が始まった。
と言っても、浮世絵作品は展示を続けている。
今日からは、浮世絵の摺り立て順序に代わって、
版木が展示されているんじゃ。

tsujibun_2_1.jpg ←版木が5枚|実は裏側も彫ってある

tsujibun_2_2.jpg ←何の版木か分かるかのう?

tsujibun_2_3.jpg ←お馴染み、「神奈川沖浪裏」

版木には、桜の木が理想なんじゃそうじゃ。
桜の木は硬く、細かな彫に耐えることができる。
だが、高価なのが難点とのこと。
もう使わないであろう図版の版木を削り取って、
新たに版を起こすこともあるとのことじゃ。
最近は、合板を使うこともあるらしいが、あまりもたないらしい。
展示の版木はもちろん、桜の木じゃ!

そして、ここではまだ紹介していなかったが、
少し前に新たな浮世絵作品が加わっている。
展示を見に来た地元の方が、うちにもあると貸してくださった。
嬉しいのう。

tsujibun_2_4.jpg ←階段踊り場に

それは、開幕当時から展示していた相撲の図と、
一組になるような作品じゃった。
並べて展示している。

tsujibun_2_6.jpg  tsujibun_2_5.jpg
↑左が開幕当時からのもの|右が追加展示作品

どうじゃ?
絵師は同一人物には間違いない。
でも続き物といった感じではなさそうじゃ。
力士の肉付きの良さが、白い線で絶妙に描かれている。
おしりもキュートじゃ(笑)。

さらに!
この「絵草紙屋 辻文」に関して、もう一つお知らせがある。
2月10日(日)13:30~、会場となっている卯立の工芸館1階で、
「木版画の魅力」題して講演会が開かれるんじゃ。
講師は、京都にある美術出版社の社長殿じゃ。
今回の展覧会で道具類をお借りしてもいる。
もちろん、先に紹介した版木もそうじゃ。
現代の版元ともいえる講師の先生の話、期待できるのう。
わしも楽しみにしている。
申し込みは、卯立の工芸館(0778-43-7800)まで。
皆も是非参加しておくれ。
聞き逃せませんぞ。

 


管理人:わしだるま
和紙の里の自然や人々が
大好きな越前和紙の精。
和紙の里に生息し、
いろんな所に出没中。

越前和紙の里のサイトはこちら

和紙の里写真リスト

最近のコメント