新版画と越前和紙 川瀬巴水展 [開催中]

開催期間
2024年07月11日(木) ~ 2024年09月29日(日)
前期 7月11日(木)〜8月19日(月)
後期 8月21日(水)〜9月29日(日)
午前9:30〜午後5:00(入館は午後4:30まで)
休館日/火曜日
開催場所
越前和紙の里 紙の文化博物館
利用料金
大人300円
※高校生以下無料・障がい者手帳をお持ちの方は半額。
※卯立の工芸館との共通料金。

巴水は私達に何を遺したのか

浮世絵の近代化と復興を目的に明治から昭和にかけて制作された新版画は江戸時代に流行した浮世絵と比べると緻密で立体感がありモダンな雰囲気が特徴です。その多くは日本の原風景、庶民の生活、または四季折々の情景を描いています。当時、海外では慶応3年のパリ万博で浮世絵が話題になったことで日本の浮世絵を求めるコレクターが多くいました。輸出用に考え作られたものもある新版画は、江戸情緒の残る風景、建物、庶民の生活、文化、芸能を木版画で未来永劫残していくことを目的に制作した結果、日本的なものを求める海外のコレクターが好む作品となりました。その当時日本の景色を見たことがない海外の人々は、中でも川瀬巴水の雨、雪、夜を描いた木版画作品を高く評価し、巴水の感性、創造力、表現力は世界中の人々に驚きと感動を与えています。

川瀬巴水は渡邊木版美術画店舗より生涯600点余りの作品を残しました。大正7年(1918)〜昭和32年(1957)の間に摺られた版画を「初摺り」といい、現在も使用できる当時と同じオリジナル版木を使い、現在の江戸木版画摺師が摺った版画を「後摺り」といいます。オリジナル版木以外は関東大震災と第二次世界大戦で消失しています。そのためオリジナル版木は大変貴重です。「後摺り」には当時とほぼ同じ水彩絵の具と越前生漉奉書という楮100パーセントの手漉き和紙を使用しています。

本展覧会の木版画は越前生漉奉書に摺られており、川瀬巴水の代表作である「東京二十景」、「日本風景集 東日本篇」の初摺り木版画と後摺り木版画を多数展示するほか「東海道風景選集」、「旅みやげ第二集」などのシリーズも揃えて前期・後期にわけ200点ほど展示いたします。是非この機会に巴水の版画作品を通して巴水が見た日本の原風景をご覧ください。

【特別講演会のお知らせ】
〜巴水は何を私達に遺したのか〜
講師に国際新版画協会会長の鈴木昇氏をお招きし講演会を開催します。

◇日 時  令和6年8月21日(水)午前10:00〜
◇会 場  越前和紙の里 紙の文化博物館
◇入館料  参加無料。別途入館料必(大人300円)
◇申込方法 紙の文化博物館に電話でお申し込みください。
      (TEL:0778-42-0016)