越前和紙と版画用紙
多種類の和紙を生産する越前は、版画用に漉かれる和紙も多種多様であり、銅版画に使用される紙として、越前で作られる雁皮紙や局紙が好評を得てきました。また、越前和紙は国の重要無形文化財に指定されている「越前鳥の子紙」の研修施設が今年3月に完成し、今後の技術向上に併せて新たな市場の開拓も課題となっています。
それにともない、今回は多くの方々に銅版画(エッチングなど)の作品に触れていただきたいと展示会を企画し、海外でも高い評価を得ておられる版画家、中林忠良氏、野田哲也氏、故吉田堅治氏の3名の作品展を開催する機会に恵まれました。オープニングでは中林忠良氏、野田哲也氏、故吉田堅治氏ご息女を交えたトークセッションも予定しております。
<三人の巨匠について>
中林忠良氏は、「現代日本の銅版画に新たな一面を開いた」と言われる作家で、文化功労賞や日本芸術院会員に選ばれました。
野田哲也氏は「写真を使ったシルクスクリーンと木版を組み合わせた独自の作品」などで国際的な評価を受けられており、大英博物館にて日本人版画家としては二人目の個展が開催されました。
吉田堅治氏(故人)は40歳で単身パリにわたり、欧州を中心に活躍した日本人画家です。日本でその名は広く知られていませんが、1993年には存命中の日本人画家として初となる個展が大英博物館で開催され、ユネスコ本部でも個展が開催されました。
以上のように、日本を代表とする巨匠三人の作品を一堂に展示できることは国内でも非常に稀なことであり、当館としても画期的な展示会となります。
終了
【イベントご案内】
__________________
展示作家オープニングトークセッション
__________________
中林忠良氏、野田哲也氏、故吉田堅治氏ご息女を交えたトークセッションを開催。
日 時:2025年6月1日(日)13:30〜
会 場:越前和紙の里 卯立の工芸館
定 員:50名(お電話で要予約)
TEL:0778-42-0016
参加費:無料。(入館料別途必要。)
入館料:大人300円。高校生以下無料。